さらに『モモ』◇
『モモ』には
さりげなく散りばめられた
深い言葉が満ちている!
モモは亀のカシオペイアに連れられて
マイスター・ホラのところへ行く。
(このカシオペイアは甲羅に文字が浮かぶが
その言葉が面白い。簡潔で深い。
たとえば「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
「オソイホド ハヤイ」)
時間について。
マイスター・ホラは言う…
***
……光を見るためには目があり、音を聞くためには
耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために
心というものがある。そして、もしその心が時間を
感じとらないようなときには、
その時間はないもおなじだ。…
***
その時に何があったか、
何を感じたかで
一瞬であったり
永遠であったりする時間。
時間を客観的にはかる時計やカレンダーがあるけれど
はかってみたところで
あんまり意味はない。
***
…時間とは、生きるということ、そのものなのです。
そして人のいのちは心を住みかとしているのです。
***
モモはマイスター・ホラの案内で
時間の国に行って
時間の花を見る。
その頃、街の人達は
時間どろぼう(灰色の男達)に洗脳されて
時間の節約、節約と忙しく…
楽しいと思うこと、
夢中になること、
夢をみること、
これらを忘れていく人達…
モモは時間の国で
時間は、均質なものではないこと、
時間はその瞬間、瞬間で全く違う
唯一無比の奇跡の花を咲かせるような
美しい心の世界であること等を知る。
モモが時間の国で時間の花を見ることができたのは
素直な心、無私の心の持ち主だから、
恐れや欲で心がいっぱいになっていないから、と思う。
モモが行ってきた世界、
モモが時間の源をみた世界は
「おまえじしんの心のなかだ」とマイスター・ホラがモモに言った。
亀のカシオペイアも言っていた、
「ミチハ ワタシノナカニアリマス」
私たちは
自分自身の心の中に入っていけば
そこに全ての答えをみつけるのだろうか?!
心は無限に
広がっている♪♪♪
- 作者: ミヒャエルエンデ,Michael Ende,大島かおり
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