シルエット
昨日の写真の会で見せてもらった写真の中に
見入ってしまう2枚の写真があった。
その2枚は流れ橋を行く人のシルエットを撮っている。
夕日が逆光になって空は茜色に染まり、
流れ橋を自転車に乗って渡る人がシルエットになって浮かぶ。
ランニングをする人も走る姿が美しく浮かぶ。
今まで、たくさんのシルエットを見ているが
こんな泣きそうなほど美しいシルエットを見たのは初めてだ。
流れ橋は、よく映画や時代劇の撮影に使われている。
京都府南部の木津川にかかる上津屋橋(こうづやばし)のことで
「流れ橋」というのは通称である。
全長356.5mの長さの木造の橋。
橋の欄干がないから、シルエットの全体が浮かび上がって綺麗で美しい。
欄干がないのは怖そうだが、地元の人にとっては生活道路だ。
豪雨で木津川の水位が上昇すると、
この橋は流れてしまうから「流れ橋」と言う。
橋脚に載せた木橋が川の中央部から左右に離れて、桁から分離し川に流れる構造になっている。橋自体は8分割されており、板が浮いても下流まで流れるのを防ぐため、ワイヤーロープで繋ぎ止められるように工夫されている。
「流れ橋とは、固定されていない橋桁(はしげた)が洪水の際に流れてしまうことを想定した橋のこと。
橋脚は流失せず、残された橋脚の上に新たに桁を架けることで簡単に復旧できる。近年ではロープなどで橋桁をつなぎとめることによって回収しやすくしたものもあり、これであれば桁を新造する必要がないため、復旧コストを抑えることが可能となっている。水面からの高さが低く、歩行者用の比較的小型の橋で手すりのないものが多い。」(Wikipediaより)
流れ橋は増水時に流れるが
流れずに沈んでしまう橋を「沈下橋」と言う。
沈下橋は四万十川流域ににかかっている。
同じ沈んでしまう橋を吉野川流域では「潜水橋」や「潜り橋」と呼ぶらしい。
「沈下橋、または潜り橋は、低水路・低水敷と呼ばれる普段水が流れているところだけに架橋され、また床板も河川敷・高水敷の土地と同じ程度の高さとなっていて、低水位の状態では橋として使えるものの増水時には水面下に沈んでしまう橋のこと。」(Wikipediaより)
増水時に流すのか沈めるのかは、土地の形状によるものだが
なんとなく、その土地の人の生き方の違いを思わせる。
流れに身をまかせて、一旦流されるのか…
水に抵抗して、ひたすら耐えるのか…
流れ橋、一度撮りに行ってみよう。