写真家・大石芳野
金曜日の午後、写真家・大石芳野(おおいし よしの)氏の講演を聞いた。
彼女は写真を仕事にして45年。
戦禍や困難な状況にある人々を撮り続けている。
講演では、アジアに生きる人たちの写真を見ながら
その解説を聞く時間がほとんどであった。
私は一枚一枚の各論ではなくて
写真、写真家、写真の持つ力などの総論を聞きたかった。
とは言っても各論の中に総論は見えてくるから
一枚一枚の写真を丁寧な解説を聞きながら見ることができたのは良かった。
彼女の写真は、過酷な状況にある人たちを淡々と気負なく撮っている。
被写体を見る彼女の眼差しは厳しく優しい。
私は、チラシにも使われていた「アフガニスタンの少女」に引きつけられた。
大石氏は、この少女の年令を聞いて驚いたと言う。
13歳には、とても見えなかったから何度も訊いたそうだ。
2〜3人の子どもを持つ20代半ばに見えたのだと言う。
この少女の表情が「アフガニスタン」を語る。
写真は雄弁だ。
大石氏の写真も言葉では伝えきれないことを語る…
写真家・大石芳野、魅力的な人だった。