写真好き、カメラ好き、
昨日のK先生の話、
写真を始めてしばらくすると撮れなくなってくる人がいるが、
そういう人の中には、写真好きではなくて単にカメラ好きな人が
K先生のみたところ三分の一程度いるのだそうだ。
(もちろんカメラ好きで写真好きな人もいるだろうけれど)
写真が好きな人とカメラが好きな人がいる、
これは思ってもみなかった視点だ。
私は、写真が好きだと思う。
カメラのカタチに美しさを感じることがあっても、
次から次に出るカメラを買わずにはいられない、ということはないから。
K先生の話は写真を楽しむことにフォーカスされているから
爽やかで軽やかな気分になってくる。
思い通りに撮れないと感じたら
その日のテーマを持って撮ってみたらどうかと言われた。
例えば、その日は同じシャッタースピードで撮る、
マニュアルフォーカスで撮る、
インターバル撮影で何秒かおきにシャッターが切れるモードに固定して撮ってみる…など。
カメラに慣れるためや視点を強制的に変えるためにテーマを持つのだ。
これは、面白いだろうなと思う。
いい場面に出合っても、その日に決めた使い方で通すのは、きっとイライラするだろうけれど、自分に不自由さを課した向こうにあるのは広い風通しの良い景色…
K先生の話を聞いているときに見えてきた景色は、
たぶん、いろいろ試した果てに私を待っている光景なのだと思った。
K先生は「カメラを持たず見ることに集中する」ことも薦められた。
先生は本気のカメラを持たずに旅に出るそうだ。
美しい景色をカメラのファインダー越しで見るのではなく、自分の目でしっかりと見るそうだ。
写真は「ものを見ること」「光の当たり方を見ること」
パッと見て撮るのは表面だけを見ている場合が多く、誰にでも撮れる。
じっくり見てこそ、その人のオリジナリティが出せる。
では直観的なモノの見方はどうなのだろう…
一瞬で本質まで見ることができる人もいるかもしれないが
そういう天才肌の人について講座で取り上げるのは一般的ではない。
見ることの訓練が必要な私、
見たつもりでも実は見ていないことが、いかに多いことか。
写真教室では写真を撮る人の物の見方、ひいては生き方にまでも言及して
どうなのか私、と考えさせてくれる…