red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

化粧

大阪まで新快速で30分間、先日、出かけたときのこと。

4人掛けシートに座って、斜め前の人を見ると熱心に化粧をしている。


私より前から乗っていた彼女、
化粧の出来具合から見ると、ひとつかふたつ前の駅で乗ったくらいだろう。


膝にバッグを置いて、その中に化粧道具一式が入っているらしく
次々に出して顔に塗っていく。


あまりじっと眺めるのも失礼かと思ったが
彼女は自分の顔を作るのに夢中で、周囲に全く関心がない。


のっぺりとした顔に赤みが差し、
段々と陰影のある顔に変わっていくのを、まじかで見せてもらった。
劇場のひとり芝居を観ているかのようだった。


アイメイクは、何より念入りだったが
電車の振動で、目を突き刺さないかとハラハラして見てしまった。


彼女は、慣れたもので
電車の振動と自分をシンクロさせているような見事な動きで
私は、その技に驚嘆してしまった。


結局、彼女も大阪まで乗っていたが、降りる寸前に化粧が仕上がった。


電車の中で、化粧をする感覚は理解できないのだが
目的地に着くまでの移動をする場は、彼女にとっては公共の場というより
自宅の延長なのかもしれない。


以前、知人が
化粧が平気なのだから、そのうちに電車の中で着替えを始めるかもしれない、全く、どうなっているんだか!と、とても憤慨していたことがあった。


確かに彼女たちの化粧姿は、
次は着替えをし出すかもしれないと思わせるところがある。
電車の振動にも屈せず、見事に仕上げるのを感心して見ている場合ではないと知人の声が聞えてきそうだ。