叔母

気温が30℃近い猛暑の月曜日、
叔母夫婦が写真を見にやって来た。

近郊のＪ市に住む叔母は、母の妹で
私は小さい頃から「お姉ちゃん」と呼んでいる。

昨年2月、親戚の結婚式で横浜に行った時の写真と比べて
「上達したわね〜！Ｎ子ちゃん！」と叔母も叔父も口を揃えて言う。

その時の写真は
「私、横浜に来ています。」という写真で
今回の作品展に出したものとは、撮る姿勢が全然違う。
（もちろん、その頃よりカメラの操作も分かってきてはいるが）

そこを旅したことを残すような証拠写真には
必ず、自分もその景色に入っていなければならない。
カメラ好きではない夫にシャッターを押してもらったり
その場に居合わせた人に声をかけて撮ってもらったり…

ところが最近、こういう種類の写真を撮ることに興味関心が失せてしまった。
どこに出かけても自分の入った写真は一枚も撮らない。
そんな写真はいらない。

昨年2月の私と今現在の私は、外見は、たいした差はなくても
実は大きく違ってきていることは、私自身がよく知っている。
ほんの一例が、撮りたいものの変化なのだ。

叔母の「上達したわね〜」という言葉は
叔母も、どこかで私の変化に気づいてくれたということなのかもしれない。