本城直季
写真家・本城直季(ほんじょうなおき)の写真は
都市や建物をミニチュアのように見せる。
ミニチュアに撮れるモードが付いているカメラが多いが、彼は実写だそうだ。
私はカメラに付いているモードでミニチュア風の写真を撮るが
実写では、どうしたらいいのか全く分からない。
説明によると「大判カメラのアオリ(ティルト)を利用して擬似的に被写界深度の浅い写真を撮る」のだそうだ。
この日本語が理解できない私は
カメラについて、まだまだ無知だということだ。
「シフト機能とティルト機構を搭載、アオリ撮影が可能なレンズを使う」そうだ。これまた理解できない。
私は解らないことがあると
なんとなく嬉しい気持ちも湧いてくる。
解らないことが解る日が、いつか来るだろう、と思って
その解った時を想像すると嬉しくなるのだ。
本城直季の
実際の風景や人物などをミニチュアのように見せる写真は
本当に作り物のようで小型模型に見える。
箱庭を眺めるように写真の隅々まで見入ってしまう。
彼はインタビューに答えて次のように言っている。
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「観る」という行為は好きです。実際の風景もそうだし、映画や写真、絵画や漫画などの表現された作品も。昔から、自分とは別の遠い所から観ているような客観的な視線で物事を見る機会が多かったと思います。
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この視点がミニチュア風、ジオラマ風の写真を撮らせたのだろう。
彼は、そういう写真の先駆者だ。
カメラのモードやパソコンでのデジタル処理で
誰でも同じような効果の写真を撮る(作る)ことは出来るけれど
やはり、彼の写真は違う。
それは撮る人のテクニックもだが、視点の差なのだろうと思う。
彼の写真が好きだ。
彼の写真は眺めていて幸せな気分になる。
箱庭は小さな頃の「おままごと」の一種なのかもしれない。
ちなみに
ジオラマは立体の小型模型を使った箱庭のこと。
フランス語で"diorama"(ディオラマ、ダイオラマ)
ミニチュアは小型のもの、小さなもの、精巧な小型模型のこと。
"miniature"
- 作者: 本城直季
- 出版社/メーカー: リトルモア
- 発売日: 2006/04/08
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