ネガティブ

妹Kと出かけたときのこと、
エスカレーターで、私が「このエスカレーター、遅いわね」と言ったのに対して、Kは「ネガティブなことを言わんといて」と答えた。

私は、一瞬、何がネガティブなのか分からず…
えっ？何が？
私は、ただ単にエスカレーターの速度が遅いと言っただけだが。

しばらくして
混んでいる所で、私が「ここ、混んでいるわね」と言うと
Kは「それがネガティブや」と言う。

どうやらKは、言葉に彼女なりの意味を持たせているようだ。

Kには「遅い」「混む」は
ネガティブでマイナスのイメージの言葉なのだ。

私は、遅いのが困るとも言っていないし
混んでいて嫌だとも言っていない。

遅い、混む等の言葉に私は負のイメージを持っていないほうだが
もしかしたら、こういう会話ではKのように感じる人は多いかもしれない。

私が口にしたのは単に私の頭に浮かんだことで
それに対してKから、特に返事が欲しいとも思っていない内容なのだった。

「このエスカレーター遅いわね」に対しては「ホントに遅いね」か「そう？遅いかしら？気づかないけど」位しか答えようがないだろうし…

「ここ混んでいるわね」には
「そうね、混んでいるわね」か「これ位は混んでいるうちに入らないわ」か…

言葉のイメージ云々より
無駄な会話、不必要な会話であるとさえ言えるわけで…

と言っても何が意味のある会話なのかとなると
途端に、「遅い、混む」をネガティブな言葉と断じたように
有用か否かと会話をジャッジすることになる。

プラス、マイナス、
ポジティブ、ネガティブ、
善悪、正邪…など割り切って判断できるものなど何もないのにである。

Kが発した「ネガティブ」の言葉を機に
ジャッジすることについて考えている…