「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」
豊島美術館の「母型」などで知られる現代美術家・内藤礼の作品世界に迫ったドキュメンタリー「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」
10月末まで渋谷で公開中。
(公式サイト)
http://aekanaru-movie.com/
公式サイトには全国順次公開とあるので楽しみにしている。
瀬戸内海の島、豊島(てしま)
私は豊島に惹かれて、この島で過ごした日のフォトブックを作ったほど。
とりわけ豊島美術館で過ごした時間を
今も鮮やかに思い出すことがある。
建築とアート、自然が一体となった豊島美術館「母型」を手がけたのが
内藤礼だ。
自然豊かな島の小高い丘の中腹にたたずむ「母型」、
洞窟のような白い円形の建造物で、天井の開口部から光が差し込み、
床の無数の小さな穴から地下水が水滴となってその姿を変化させていく…
円いドームの中では外界からの光や風、鳥のさえずり、木々の揺らぎ等をも感じられ、座っている床には水が湧き水滴になって流れていて、何かに包み込まれたような安らぎに満ちた空間なのだった。
存在の神秘を問い続ける美術家とも称される内藤礼、
制作する姿を人に見せなかった彼女の了解を得て、
2012年から撮影を開始、約2年にわたって取材は続いたが
「撮られると、つくることが壊れてしまう」と
内藤礼はカメラの前に立てなくなったらしい。
そのため映画「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」には5人の女性が登場することになった。
彼女の作品と5人の人生の断片を交差させ、フィクションともドキュメンタリーともつかない映像で表現したという。
タイトルの「あえかなる…」の「あえか」とは
美しくかよわげなさま、はかなげなさま、
頼りないさま、きゃしゃで弱々しいさま。
「あえかなる部屋 内藤礼と、光たち」
関西で公開になるのはいつだろう?
早く観たいものだ。