red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

ガラスの茶室

東山、将軍塚青龍殿の大舞台にガラスの茶室「光庵」がある。


京都市街を一望することができる大舞台は標高220メートル、
ここに2015年春、ガラスの茶室が設置された。



手がけたのはデザイナー・吉岡徳仁(よしおか とくじん)


2011年にヴェネツィアビエンナーレ国際美術展で『光庵』の模型デザインを発表、約5年の時を経て、京都・フィレンツェ姉妹都市提携50周年を記念してガラスの茶室「光庵」がカタチになった。


茶室自体は屋根を含めた幅・奥行き、約4m、炉は切られていない。
方形屋根で一文字葺き、構造は鏡面仕上げのスチールが支える。
目に見えるほとんどは透明なガラスだ。





吉岡徳仁は次のように語った、
「私が『光庵』で表現したいことは、日本文化が生み出された根源を問うことにあります。この光庵には、茶室の重要な要素である、掛け軸や花、畳はありません。それは、長く培われた茶道という文化を様式的にとらえた茶室ではなく、この作品 において私が最も重要だと考えたのは、自然と共に生み出される時間をデザインすることであり、それは物質的なもののデザインから解放され、自然と一体となり、 光そのものを感じることだと思ったのです。ガラスの塊からできた床には、水が造り出す美しい波を瞬間で捉えたような煌めきが広がり、そこには光を象徴するガラスの彫刻が飾られています。また、或る時間になると天井からはプリズムと太陽の光により虹色の光が放たれ、光の花を放ち、人間が持つ感覚と時間との密接な関係を表すものが、その見えない 姿を現すのです。 光は時間とともに変化し、また光は時間によって生み出されます。通常は閉鎖的な空間である茶室を、透明なガラスで造ることによって、茶道をはじめとする日本文 化の本質を感じていただければと思います。」


茶室の三方にはガラスのベンチ「Water Block」がある。
ここは自由に座ることができる。
真夏の太陽の下でも、このベンチはひんやりとして心地良い。
一日中座っていたいほどだ。




タクシーの運転手が次々に観光客を案内してくると、
皆、歓声をあげ市街地を眺め、茶室を眺めて…



紅葉の頃は
将軍塚までの道は行きも帰りも大渋滞で、タクシーも動かず、
途中で降りて歩いてもらうこともあるそうだ。
(秋の京都の大混雑は、ここだけではないけれど)