視野
たまに気配が消えたように
周りにいる人に気付かれないことがある。
先日、入ったカフェ、
そこは注文を取りに来てくれる店だったが
週末で、かなり混んでいた。
私は、そのうちに注文を訊いてもらえるだろうと本を読み始めた。
ずいぶん経ってから、何も頼んでいないことに気付いた。
本に夢中になっていて、注文を訊いてもらっていないことも忘れていたのだ。
私の気配が消えていたのか、それとも
その場に馴染み過ぎていたのか…
数日前、電車から降りる時のこと。
私の姿が乗って来る人の目に入っていなかったようで
ぶつかりそうになって驚かれたこともあった。
その乗って来た人は
早く乗ろうという意識だけで周りが見えていなかったのだろう。
私は、あらら、私が見えなかったのかしら?と不思議だった。
単に、その人は降りるのが先という風に思っていないのかもしれないけど。
人の視野は
ただ見えているというだけなら両目で180度を超えるらしいが
よく見える範囲は50度の角度だという。
さらに、物体を注視するときの角度は30度。
その30度の視野に入っていても何も見えない(見ない)人もいる。
自分の真後ろでも見える(察する)人もいる。
視力の良し悪しもある。
物の見方が違うように、実際に見るものも同じように見えるわけではない。
カメラのファインダーを覗いていると
見える範囲に敏感になってくる。
私は広角で風景を大きく撮るのが好きだから魚眼レンズにも興味があるが、人の目の標準的な視野、よく見える範囲の50度の画角だけで撮るのも面白いだろうと思っている。
単焦点レンズで50mmと35mmを持っているが
私のカメラで使う場合、ほぼ50度の画角になるのは35mmレンズ。
日頃、ズームレンズで広角から望遠まで撮っているけれど
一度、35mmだけを持って出かけてみようかと思っている。
(軽いレンズであることも魅力だし)