red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

人力車

由布院で乗った人力車。
えびす屋」という人力車のチェーン店で1992年3月、京都・嵐山で創業、今は小樽から湯布院まで全国9ヶ所で走っているそうだ。


笑顔爽やかな俥夫は鍛えられた体で人力車を引いていく。
俥夫の法被には「湯布院」とある。
由布院ではなくて湯布院、「湯」のほうが温泉地をイメージさせるからだろう。


乗った人力車は「流石!(さすが)」号。
「さすが」に乗り心地も快適だった。



普段、普通に使っている「流石(さすが)」という言葉、何故、「流石」の漢字なのか、学生時代に読んだ記憶がある由来をみてみた。


中国の諺の「沈石漱流(ちんせきそうりゅう)」
「石に沈し、流れに口すすぐ」
「石を枕にして、川の流れで口をすすぐ」
山水に隠れて自由に暮らす、山奥で生活する仙人の境涯を言った諺だが、これを「漱石枕流(そうせきちんりゅう)」と言い間違えた晋の時代の孫楚(そんそ)という若者がいた。
「石にすすぎ、流れに枕す」では意味が通らないと指摘された彼は、たいそうな負けず嫌い。「流れに枕するのは耳を洗うためであり、石にそそぐのは歯を磨くため。」と、こじつけを言った。


そのこじつけ方、誤魔化し方が上手だったから、聞いていた人は「それにしても上手に誤魔化したものだ」と感心した。
ここから、感心するときの「さすが」を「流石」と書くようになった。


そして言い間違えた「漱石枕流」は、これ以降、自分の間違いを誤魔化すために強引に言い変えてしまったことから、「がんこ者」「へそまがり」「負けず嫌い」という意味の諺になった。
夏目漱石は、このエピソードが気に入ってペンネームにしたのだとか)



なにげなく使っている「流石」という言葉。
謂れを知って使うのと知らなくて使うのは、表面的には同じようにみえても
実は、使われた言葉には何らかの差が出るような気がする。
「さすが」と発せられる音は変わらないように聞こえても
言葉が深みを帯びるような、力を持つような気がする。