読書三昧

カメラとパソコンから数日、離れていた。

寝ている間にでも背筋をひねったのか起きたら首、背中、右腕が痛い。
こんなふうだと上を見上げて撮ることができないし、第一、重いカメラが持てない。思い通りにカメラを触れないのなら、と気分を変えて読書三昧の数日を過ごしている。

読書をしているとパソコンの前にも座らないようになる。
パソコンや携帯を数日間触らなくても、なんということもないと確認するような日々を過ごしている。

読むつもりで買って置いていた小説の類を読んでいる。
暑い日の昼下がり、風が通り抜ける和室で寝転んで本を読む…
とても懐かしい空気が流れて、時を遡っているような奇妙な感覚になった。

小学生の頃の夏休みを思い出した。
この読書三昧の感じはまさにその頃と似ている。
毎日、学校の図書室に行って本を借りてきた。
一度に３冊まで借りられるのだったと思う。
毎日３冊読んでは返し、読んでは返し…を繰りかえしていた夏休み。

「外で遊びなさい」と、いつも母から言われていた。
家の中で本ばかり読んでいるのは子どもらしくないということだったのだろう。

カメラとパソコンから離れて読書を楽しんでいたら
いつのまにか背筋をひねった感じは気にならない程度に緩和していた。

時々、こんなふうにアナログ生活をするのもいいものだ。
忘れていた風景と出会えるような気がする。