red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

詩人

詩人、和合亮一(わごう りょういち)
福島から発信し続ける彼の詩集が本屋さんに積まれている。

一度に別々の出版社から3冊出たようだ。


『詩の礫(つぶて)』
『詩ノ黙礼』
『詩の邂逅』


本は本棚に入るだけしか持たないと決めて
本を買うのは控えているのに彼の詩集から目が離せない。
そうだった…本屋さんに行くこと自体が私には危険なのだった。


和合亮一の詩はツイッターで発信されたもの。ツイッターでも読めるが…ツイッターの画面から読むのは、あまり好きではない。


ツイッター上の細切れから1冊にまとまると
同じ詩のはずが急に存在感を増して感じられる。


今、私の本棚には少し空きがある、整理の賜物だ…などと
平積みの中から1冊買ってしまった。


『詩ノ黙礼』

序には次のように書かれている。


******(抜粋)

震災から三週間が経った4月1日。ガソリンが手に入ったので、幼い頃からよく遊びに行った相馬の松浦港へと出かけた。

(中略)

一人一人がここで生きてきた時間を辿ることなど出来ない。暮らしていた温度は、すっかり消えてしまっている。

(中略)


黙礼する。
私は何がしたいのか。
鎮めたい。何を?
たくさんの失われた魂。悲しみ、絶望。
私の言葉に、詩に、そのような力はあるのか。
まず写真を撮りたい。
ある時に浜辺で撮影し続けていて、ふと空を見あげた。
雲の切れ間。宮澤賢治の詩句が浮かんだ。
「新たな新人よ 嵐から雲から光から 新たな透明なエネルギーを得て 人と地球にとるべき形を暗示せよ」

******


彼の詩のキーワードは「福島」「故郷」

詩人は詩を書く、ただひたすら書く。


和合亮一、福島在住、詩人…


『詩の黙礼』を読んだ。
まだ続いている厄災が鎮まることを祈りながら読んだ。


詩ノ黙礼

詩ノ黙礼