詩人
詩人、和合亮一(わごう りょういち)
福島から発信し続ける彼の詩集が本屋さんに積まれている。
一度に別々の出版社から3冊出たようだ。
『詩の礫(つぶて)』
『詩ノ黙礼』
『詩の邂逅』
本は本棚に入るだけしか持たないと決めて
本を買うのは控えているのに彼の詩集から目が離せない。
そうだった…本屋さんに行くこと自体が私には危険なのだった。
和合亮一の詩はツイッターで発信されたもの。ツイッターでも読めるが…ツイッターの画面から読むのは、あまり好きではない。
ツイッター上の細切れから1冊にまとまると
同じ詩のはずが急に存在感を増して感じられる。
今、私の本棚には少し空きがある、整理の賜物だ…などと
平積みの中から1冊買ってしまった。
『詩ノ黙礼』
序には次のように書かれている。
******(抜粋)
震災から三週間が経った4月1日。ガソリンが手に入ったので、幼い頃からよく遊びに行った相馬の松浦港へと出かけた。
(中略)
一人一人がここで生きてきた時間を辿ることなど出来ない。暮らしていた温度は、すっかり消えてしまっている。
(中略)
黙礼する。
私は何がしたいのか。
鎮めたい。何を?
たくさんの失われた魂。悲しみ、絶望。
私の言葉に、詩に、そのような力はあるのか。
まず写真を撮りたい。
ある時に浜辺で撮影し続けていて、ふと空を見あげた。
雲の切れ間。宮澤賢治の詩句が浮かんだ。
「新たな新人よ 嵐から雲から光から 新たな透明なエネルギーを得て 人と地球にとるべき形を暗示せよ」
******
彼の詩のキーワードは「福島」「故郷」
詩人は詩を書く、ただひたすら書く。
和合亮一、福島在住、詩人…
『詩の黙礼』を読んだ。
まだ続いている厄災が鎮まることを祈りながら読んだ。
- 作者: 和合亮一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/06/16
- メディア: 単行本
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