田舎
私の実家でのんびり過ごしていた。
田舎はいい。ほっこりできる。
のどかな景色が広がっている。
ただ黄砂が田舎でもひどくて、美しい山が霞んでいる。
黄砂でぼんやりとした景色は幻想的で幽玄で…なんとなくロマンを感じるが
実際には有害な物質をたくさん含んだ砂粒なのだからロマンチックでも幻想的でもないのだけれど。
お茶を飲んでいた時、
母が夫に「(わがままいっぱいの私を)叱ってやってくださいね」と言った。
「お義父さんとお義母さんが叱って育ててこられなかったのだから、今更遅いと思いますよ」と夫は答えた。
両親は「それもそうですねぇ〜」と苦笑していた。
夫は率直に話す人。
私がわがままいっぱいに甘やかされて育ったかどうかは別にして
この会話は面白かった。
母は私を管理するのが夫に変わったような感覚でいるのだろう。
古い田舎の家で育った人の典型のような考え方なのかもしれない。
夫は自由な人、妻は夫のものではないと行動も伴っている。
私は彼から命令されたことや叱られたことは一度もない。
(注意をされることはあるけれど)
両親といろいろ話したり、散歩をしたり…
のんびりと過ごした実家での時間は、あっという間だった。
両親との会話は面白い。
隣近所や親戚の事情に詳しい彼らの話も面白い。
両親ふたりだけの日常の話も面白い。
畑で父が野菜を作って、母も庭だけでは足らずに畑でも花を育てている。
先日、母が花の種を蒔いた場所を、それを知らない父が野菜を植えるために土を掘り起こしてしまったらしい。
私が居る間も同じことをされないように父が畑に行こうとするのを母は慌てて追いかけていた。
花好きの母は家の中を花いっぱいに飾っている。
両親の居る田舎の家は居心地がいい。
また、ゆっくり帰ってこよう。
遅咲きの桜の咲く川沿いの小道を歩いた。
ここも気持ちの良い場所だった…