泣く人
先日、乗ったJRの電車で隣り合わせた女性が泣いていた。
声は出さずに肩を震わせて泣いていた。
はじめ笑っているのかと思ったが
すぐに泣いているのだと分かった。
その人の悲しみがジワリと伝わってくる。
私の他にも気付いた人が居た。
次第にその人の顔も辛そうな悲しそうな表情に変わっていく。
多分、私もそんな顔になっていたと思う。
強い感情は伝染力も大きいようだ。
泣く人に声をかけられなかったが
(かける言葉などないのだが)
心の中でエールを送って電車を降りた。
自分のものではない悲しみの感情に、少し共感してしまったようだった。
共感といえば「伊達直人」と名乗って善意の寄付をする現象が
小学生から年金生活者など、今まで寄付をしたことがなかった層にまで広がって、共感の一種のブームが日本中を駆け巡っている。
一番初めの人が「伊達直人」の名前を使うという洒落た面白さも相まって
皆の心に「伊達直人」が浸透していく様は、なんとも心地良い。
私も「伊達直子」と名乗ろうかしら、と夫に話していたら
兵庫県に「伊達直子」さんが現れたというニュースを聞いた。
皆、考えることは似たようなものだな、と思いながら
二番煎じではない洒落た名前がないか、考えている。