red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

ことば

言葉について考えた。


先日、ある人と話していて(メールで)
ある言葉に対する感覚が相当違うことに驚いた。


私がメールに書いた「奥様」という言葉がある。

この「奥様」は私にとっては〇〇氏の配偶者を指す丁寧語でしかない。
それ以上の意味を全く持たない言葉なのだ。


ところが
それを聞いた(読んだ)その人は
「奥様」というのは社会的な地位のある男性の配偶者のことである、と言う。
そうではない職業を持つ人の配偶者に使う場合には
そういう言い方をする会話自体を「冷たい」と感じるそうなのだ。
営業マンのような人が、何かの意図があって使う言葉であるとも。


その時の話の本質にあまり関係しない「奥様」という言葉に
これほど色々な感情がくっついてくることに驚いた。



言葉は人それぞれの使い方をすることは解っていたつもりだったが
実際に、これほど違う認識で使っている会話を経験すると
実は何も解っていなかったと改めて考えさせられる。


「奥様」を
私は本当に単純な意味しか持たない言葉として使っている。


それを聞いた人は
その人の価値観「社会的な地位」という皆に共通ではない曖昧な意味を持たせている。しかも「冷たい」言い方に聞こえる、と言う。
私にとっては、ただの〇〇氏の配偶者という意味でしかないと伝えた。
書き言葉だから「奥様」と書いたが、話したら多分「奥さん」だろうとも。


このように話の本質に関係のない言葉の認識の違いには
特に触れないまま済ます会話のほうが多いだろうと思う。


今回は、たまたま「奥様」の違いを知ったが
他にも、こんなふうに異なった感覚で使っている言葉があることだろう。


共通ではない考えを基にした感情をくっつけてしまうと
会話が成り立たないことになると思った。


「社会的地位」というのは人によって何を指すのか全く違うし
世間は…普通は…などと同じような曖昧な言葉だし
そのようなものに関心がなければ何の意味も持たないし
その言葉を聞いて「冷たい」と感じるのは
言葉の本質とは違う意味をくっつけ過ぎているからで
それは感じる人の問題である。


本来の意味は、もっと簡単で単純で…と思う私も
私自身の使う言葉を確認してみる必要があるなと思った。


人の使う言葉の持つ意味を訊くのは、その人の価値観を聞くことになる。
知っても仕方ないと思うけれど

会話を成り立たせようとする場合には
その人が言葉に持たせている意味を知るのが必要な時がある。


話の本筋と違うところでさえ
言葉に対する感覚が相当違うということは
言葉を単純に使っていない人には、会話はストレスなことだろう。

様々な感情をくっつけて話を聞いてしまうのだろうから。

そのストレスは本筋の話を聞くことにも大きく影響を与えることだろう。


つまり
会話が成り立たない方向に進みがちである傾向を持つと言えるだろう。


ことばって面白い。
使う人の数だけの意味を持つ、と思ってもいいような気がする。


自分の発する言葉の意味に思いを馳せてみるのも面白いかも知れない。
もしかしたら私自身も
思わぬ感情のくっついた言葉を隠し持っているかも知れないのだから。




水面をぼんやり眺める。
水の流れを見ながら考える…