ウォルター・デ・マリア (Walter De Maria)
ウォルター・デ・マリアの作品を直島で見た。
地中美術館にある「タイム/タイムレス/ノー・タイム」は圧巻だ。
置かれている球体は直径2.2m。
インド産の花崗岩をドイツで完璧な球体に加工した。
こんなに大きな一塊の花崗岩も珍しいのだそうだ。
なんとも魅力的な(ほぼ)完璧な球体!
誤差はわずか1mm以下だそうだ。
大きな空間の真ん中に鎮座する球を自然光で見る。
高い天井から差し込む光で刻一刻と表情が変わる。
一日中、ここに居て眺めていたい誘惑に駆られた。
直島にもう1点彼の作品がある。
こちらのほうが早く設置された。
「Seen/Unseen Known/Unknown」
(見えて/見えず 知って/知れず)
私が行った時は
ちょうど修復中で扉が全開にされていなくて
正面からの鑑賞が出来なかった。
作品鑑賞としては物足らないことだったが何枚か撮ってきた。
(地中美術館内と違って、この作品は屋外作品として位置づけられているから写真撮影も可能なのだ)
この階段を昇った右側に展示スペースがある。
まさに「見えて、見えず」の場所だ。
ふたつの瞳のように見える球体。
ひとつの直径は約1.8m。
瞳には何が映るのか、見えて見えず、知って知れず…
ウォルター・デ・マリアは直島の2作品のような
インスタレーション(Installation art)を多数制作して設置している。
(彼は彫刻家で音楽家で…といろいろな顔を持つ)
installationとは装置・設備・設定などの意味で
現代美術における表現手法・ジャンルの一つ。
「ある特定の室内や屋外などにオブジェや装置を置いて、作家の意向に沿って空間を構成し変化させ、場所や空間全体を作品として体験させる芸術」と説明される。
空間全体が作品だから鑑賞するというより体感する。
そして、「体感」「体験」する人も作品の一部になるような
作品に入り込む感覚が、とても面白い。
ランド・アート(land art)というジャンルもある。
岩、土、木、鉄などを用いて砂漠や平原などに作品を構築する。
ウォルター・デ・マリアの
「ライトニング・フィールド(稲妻の平原)The Lightning Field」は
ランド・アートの代表作であるとされる。
1977年、ニューメキシコ州の砂漠に作った「ライトニング・フィールド」は
400本のステンレス製のポールを220フィート間隔で格子状に建てた作品。
砂漠に建てたポールに雷が落ちる。
その光や轟音を体験するのだそうだ。
こんな壮大なアートを体感するのは、とてつもない経験だろうな、と思う。
ランド・アートでもインスタレーションでも
なんと呼ばれる形式かはどっちでもいいことだが
作品を体感する、体験するというのは、とても面白い!
時々、直島に行こうと思う。
自分の体で感じることは素晴らしい♪
Wikipediaからの抜粋
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インスタレーションは
「最初はおもに彫刻作品の展示方法の工夫や、ランドアート・環境芸術の制作、パフォーマンスアートの演出に対する試行錯誤から誕生したが、次第に彫刻などの枠組みから離れ、独自の傾向を見せるようになったため独立した表現手法として扱われるようになった。」
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