red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

萩・津和野

今日、Y子さんと出会って楽しい時を過ごした。
彼女とお喋りしていると、いつも時間があっという間で…


特に今日は二人とも時間を見て
「えっ???」
「いつの間に???」
「こんな時間に???」と
どう考えても、時間の過ぎ方が変だった。
二人、顔を見合わせて目が点になっていた…
時間がどこかへ消えた感じだっだ。


Y子さんは少し前に萩・津和野を旅していて
その話も聞かせてもらった。



萩といえば吉田松陰が生まれ育った地。

安政の大獄で死罪に処せられた吉田松陰が父母に送った辞世の句、

「親思ふこころにまさる親ごころ けふの音づれ何ときくらむ」


この歌を刻み込んだ石碑の写真を見せてもらいながら
彼女から聞いた話。


〜〜〜
Y子さんは
自分が親になって数年した頃に

お父様から、この歌を書いた色紙をもらっていたことを

この間の旅で石碑を見て思い出したのだそうだ。


「親思ふこころにまさる親ごころ けふの音づれ何ときくらむ」



父母を残して先立つことを案じている私の心より、
私のことを案じてくださる父母の心の方がはるかにまさっている…


処刑前、家族に宛てた別れの手紙の中の辞世の句の

直筆を拡大して刻み込んだ石碑。


多分、父も萩を旅したんだと思うんです、とY子さん。

彼女は色紙をもらってから20年近く経って
萩を旅することで

今は亡きお父様の親心をさらに深く感じたようだった…


〜〜〜


歯科医だったお父様に大事に育てられたY子さん、

ひとり娘への限りない愛情が
親となった娘へ、さりげなく渡されたであろう色紙に
凝縮しているようで
お目にかかったことはないけれど
彼女のお父様が浮かんでくるような話だった。


帰りの電車で
この話を思い出しながら私まで胸がジーンとなってきた。



津和野も小京都というだけあって
風情のある街並みだったそうだ。


萩・津和野…
行ったことがない私はY子さんから話を聞いて
いつか旅したいなと思った。



ちなみに吉田松陰の一般的に知られる辞世の句は

身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも  留め置かまし大和魂

留魂録』の冒頭の辞世の句。
留魂録』は松陰が牢獄の中から、死ぬ間際に弟子達に向けて書いた。



(津和野のお土産の可愛い羊羹、鯉が二匹、こい恋羊羹♪)


吉田松陰 留魂録 (全訳注) (講談社学術文庫)

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