red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

『天地明察』◇

天地明察冲方 丁 (うぶかた とう)著


本屋さんでタイトル「天地明察」に惹かれた。
「明察」という言葉の心地良さと爽快感に惹かれ
読み始めた。


時間を忘れ一気に読みきった。


江戸時代、四代将軍家綱の頃、碁打ちの家、安井家に生まれ
父、算哲の名を継いだ二世安井算哲こと「渋川春海(はるみ)」


彼が囲碁だけでは飽き足らず
算学、天文学の虜になり…
日本独自の暦を作り上げるまでの物語だが


渋川春海の実直な人柄が微笑ましく、
彼が何度も挫折を繰り返しながらも奮闘するさまを
感動とともに身近に感じた。


同時代を生きた
後の和算の開祖、関 孝和の天才ぶりと比べて
春海は努力の人といえるが、


彼だからこそ
日本独自の暦「大和暦」を作ることができて
彼だからこそ
朝廷と幕府の間でうまくバランスをとって
この暦を採用させることができた。


天地明察
江戸時代の知性の息吹が瑞々しく語られる。


何度も泣いた。
春海の熱い思いに触れる人は幸せだ。



春海が暦を完成させた瞬間は
22年の時を経て
天に触れた瞬間。


その時
春海は志を彼に託して亡くなった師に語りかける。
天地明察です…」


からん、ころん。

渋川春海の原点、算額絵馬の鳴り響く音が
彼の頭の中で
鮮やかに響く♪♪♪


私も
読後に


からん、ころん。
からん、ころん。

音が聞こえてきた♪


多分、何度も読む本だろう…

良い本に出合った!!!


天地明察

天地明察