八百屋さん
先日、近所の八百屋さんが店を閉じた。
戦前からあったと思われるその店は
老夫婦が切り盛りしていた。
隣にスーパーが出来てからも常連客が居て
私も、その一人だった。
分からない野菜のことを訊いたら快く教えてもらえるので
知識のない私は助かっていた。
その八百屋さんは
跡取りが居なかったのか、居ても店を継がなかったのか…
そのあたりは知らないけれど
街の小売店で、同じようなことが多く見受けられる。
その街に根ざした小売店の魅力は大型店やネットにはない安心感だ。
その八百屋さんは少々割高だったが安心の品には代えられなかった。
私の実家でも
家電製品や電気工事は決まった人に来てもらっている。
唯一、パソコンだけは、昔から来てもらっているその人は扱っていなくて
近くの少し大きな電気店にはサポートも付いているからと父が頼んでいた。
父は、パソコン以外の家電製品も、そこから買いたい素振りをしたようだが
母が、頑として「我家の電気は全部、昔からあそこ!」と言ったとか。
あちらこちらの店から買っていないから、何か不具合になった時には、
どこから買ったのだったかと思い出す必要もなく
電話してすぐに来てもらえる。
街のお店は、そういう安心感が売りなのだ。
御用聞きと言う言葉も死語に近くなった。
なんでもネットで買えるし
私も、ネットショッピングを重宝しているが
店頭で買うのと違ってリスクはある。
私は、家電で工事や設置が必要ないものはネットで買うことが多い。
大型店でどんな品物かを触ってみて、その大型店のネットショップで買うこともある。一つの店に決めて買っていないので不具合が生じた時に不都合だ。
どこで買っても同じもの、本やCDからネットショッピングを始めたが
今では、持って帰るのが大変な嵩張るペーパー類やビールなどを中心に色々買っている。
近所の酒屋さんは早くになくなった。
八百屋さんは長く頑張っていたが、ついに…
スーパーで買うパック詰めのお野菜、
開けてみたら、傷んでいるものがあったりして
八百屋さんへの私の喪失感は段々大きくなっている…