木花咲耶姫

注文から丸3年を経てやってきた絵は木花咲耶姫だった。

描いてくれたMさんによると
どうしても色が必要だったから、注文時の鉛筆画ではなくなったという。
3年の間に描くイメージも少しは変わったのかもしれない。

その絵は桜の花の季節に富士山と湖を背にした木花咲耶姫がメジロを手に微笑んでいる。

木花咲耶姫からのメッセージは
「この世界の美しさを見せて欲しい、誰が見ても綺麗だと感じる場ではない所の美を引っ張り出して見せて欲しい、どんな場であっても世界は美しいことを見せて欲しい…」
（他にも何かあった気がするが、忘れてしまったのでMさんにメールで訊くことにしよう）

富士山好きの私には木花咲耶姫からのメッセージは嬉しいが
手元にやって来るまでに3年を必要としたことも興味深い。

ここ1〜２年、こういうメッセージをもたらす絵に全く興味がなくなっているので
今なら注文することはなかった。

でも3年前では、そのメッセージが早過ぎたということなのかもしれない。
すっかり忘れた頃にやって来たメッセージは、今、必要だということか…

思ったより、かなり大きい額装なのでどこに飾ろうか迷っていたが
私の部屋の床に立てかけて置いたら、
その角度から見る木花咲耶姫の笑顔があまりにも素晴らしく、
むしろ平行で見るよりもいいので、置くところは決まった。