『行人』
夏目漱石の『行人』に結婚について兄がお貞さんに云う場面がある…
「結婚をして一人の人間が二人になると、一人でいた時よりも人間の品格が堕落する場合が多い。恐ろしい目に会う事さえある。まあ用心が肝心だ」
先日、夫と品格について話していた時、彼がこの漱石の言葉を言った。
言い得て妙なセリフだな〜と、あるカップルの顔が浮かんだ。
一緒に暮らすと段々顔つきまで似てくるものだと言うが
品格が堕落する場合が多いとは、そうかもしれない。
1912年から1913年に書かれた小説『行人』
100年も前のセリフが誰かの口を通して再び発せられるのは面白い。
『行人』は学生時代に読んだはずだが、全く覚えていない。
それにしても
学生時代に「読んだ」記憶というのは、何といい加減なのだろう…
全然覚えていなくて「読んだ」と言えるのかどうか…
- 作者: 夏目漱石
- 出版社/メーカー: 新潮社
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