西国三十三所の御詠歌
四十九日までの七日ごとの法要、お逮夜(おたいや)に実家に帰っている。
毎週土曜日、午後5時。
菩提寺から住職さんが読経に来られる。
親類縁者も集まって、般若心経などを一緒に唱える。
次に午後7時からは西国三十三所の御詠歌、
始まるまでに5時から来ている人たちに食事をしてもらう。
7時からの御詠歌だけに来られる人たちも多い。
近所の人から父の友人、母の友人まで、たくさんの人たちが
西国三十三所の御詠歌を歌う。
第1番、紀伊国那智山から第33番、美濃国谷汲山まで、三十三ヶ所の御詠歌を順番に歌いながら、一番ごとに線香に火をともす。
西国三十三所の御詠歌は
近畿地方一円で死者を弔うために葬儀から四十九日法要まで親族によって毎夜唱えられる。(宗派にもよるそうだが)
御詠歌は供養のための歌らしい。
般若心経と西国三十三所の御詠歌、
お逮夜の日は、皆の声が共鳴する。
なんとなくゴスペルのようにも思えてきた。
田舎の人たちは、日頃、あちこちで歌っているのだろう。
皆、慣れた感じだが、私は小さい頃に聴いていたかもしれないけれど
西国三十三所の御詠歌は、ほとんど初めてと言ってもいい。
田舎の行事や人付き合いは、初めてのことばかりで
こんなにも知らないことがあるのだと知る日々を過ごしている。