むべの実
今日、むべの実をもらった。
Mさんが珍しいからと、持って来てくれたのだ。
「むべ」
郁子、野木瓜、アケビ科ムベ属の常緑つる性木本植物。
別名をトキワアケビ。
アケビと似ているが、むべの実は熟してもアケビのように割れない。
そのために実に虫がつかないのが好まれて庭に植えられることも多い。
またアケビは冬になると葉が落ちてしまうが、むべは一年中緑を保つ。
つるの長さが15メートルにもなる常緑性低木。
むべの木の葉は幼木の時は3枚、その後5枚、実が生る頃には7枚となるので「七五三の縁起木」とも言われる。
また長寿のお祝いの贈り物にもされるとのこと。
縁起のいいものがやって来た!
ほんのり甘くて素朴な味わいというから楽しみだ。
*******日本経済新聞(2003/12/03)文化面より一部抜粋。
「むべなるかな(いかにももっともなことであるなあ)」
晩秋、ほのかに甘い赤紫の実のなるアケビ科の低木「ムベ」。この植物の語源が、天智天皇が発せられた一言だったということをご存じだろうか。
琵琶湖のほとりに位置する滋賀県近江八幡市の北津田町には古い伝説が残っている。蒲生野に狩りに出かけた天智天皇がこの地で、8人の男子を持つ健康な老夫婦に出会った。
「汝ら如何(いか)に斯(か)く長寿ぞ」と尋ねたところ、夫婦はこの地で取れる珍しい果物が無病長寿の霊果であり、毎年秋にこれを食するためと答えた。賞味した天皇は「むべなるかな」と得心して、「斯くの如き霊果は例年貢進せよ」と命じた。
その時からこの果実をムベと呼ぶようになった。10世紀の法典集「延喜式」31巻には、諸国からの供え物を紹介した「宮内省諸国例貢御贄(れいくみにえ)」の段に、近江の国からムベがフナ、マスなど、琵琶湖の魚と一緒に朝廷へ献上されていたという記録が残っている。
*******(抜粋終わり)