red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

筋肉痛

実家で障子の張り替えをしてきた。


妹Kも土日に帰ってきて手伝ってくれた。
彼女がいて良かった。

妹Kは器用なので、はみ出した障子紙をカットする作業をやってもらった。
この仕上げが不細工だと、せっかく張り替えた意味が半減する。


20枚を張ったところで
残りの10数枚は、次の機会にしようということになった。


障子を張る時、緊張した姿勢でいたせいか
ひどい筋肉痛になってしまったのだ。


考えたら、今まで私は障子を張ったことはなかった。


「私とお祖母ちゃんで張ったから娘たちに張らせたことなど一度もなかった」
「お祖母ちゃんが亡くなってからは私一人で張ってきた」と母は言う。


記憶とはいい加減なもので
私は、ずっと障子の張り替えの手伝いをしていたように思っていた。


障子の張り替えは
特に難しいことではなく誰にでもできる簡単なことだから
必要とされたらやってみたらいいだけだと淡々と母は言う。


私の初めての障子の張り替えは
体中の筋肉痛と腰痛で、大変さを痛感させるものだった。


母は、こんな大変なことをやっていたのだと思うと頭が下がる。


簡単そうに淡々とやってのける人を見て
見た通りだと思い込んでいたら大間違い、
自分で体験してみて初めて本当のことは分かるのだ。


今回、張った障子紙は、母も初めてのプラスチック障子紙。
糊ではなく専用の両面テープで張る。
母は糊より楽に張れると言って喜んでいた。
ただプラスチック障子紙は、和紙のように見えても吸水性がなく水をはじくので、冬にはガラスのように結露する可能性がある。
気密性の高い部屋には向かないのではないかと思う。
障子紙が呼吸しなくても、古い家は家自体が呼吸しているので
母が毎年張り替えなくてもいいほうを優先した。


実家は築130年弱の古い家、障子戸など新しくした建具もあるが
書院戸など当時のままで使い続けているものも多い。
その書院戸の障子も張り替えた。
障子紙を剥がす時、いい木材を使っているのかどうか分かるのだそうだ。
昔の家は、それぞれの家が持っている山の木材を使って建てるのが当たり前だったそうだ。山から木を切ってきて木目を吟味したのだとか。

そしてまた山に木を植える、いつか子孫が新築をする時のために。
田舎では少し前まで、こういう循環があった。


母から、いろんな昔話を聞きながらの障子の張り替えだった。


障子の張り替えついでに
田舎の風景を撮りに出かけようと思っていたが
筋肉痛でカメラを持つ気がしないので
実家での滞在を早めに切り上げて帰ってきた。


帰り際、母から少し体を鍛えたほうがいいわねと言われてしまった。
自分でもその通りと思った。


先ほど、残りの10数枚の張り替えをいつ頃にするか母に電話して訊いたら
なんと、少しずつ、一人で始めていると言うではないか。


来客のあった時の気になるところは張ってもらったから気分は楽になったし
残りは、ぼちぼち張るから手伝いに来なくてもいいと言うではないか。


まあ、そういうことなら母に張ってもらうことにしようか、
私では、また筋肉痛になりそうだから…