red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

されてください

「〇〇されてください」

ネットで目にすることが案外多い言い回しだが
見るたびに違和感がある。


「される」というのは「する」のサ行変格活用の動詞、
サ変動詞の未然形「さ」に助動詞「れる」の付いたもの。
受け身や使役表現では「される」でいいのだが、
この「される」が尊敬の表現として使われる場合が問題なのだ。


「する」の尊敬は「なさる」、
「される」は間違いだと厳格に区別する考え方がある。
もちろん、どちらでもいいとする人もある。
例えば「先生が講義をされました」と「先生が講義をなさいました」


「ください」は、動詞「下さる」の命令形。
本来は「くださいまし(ませ)」で、「まし(ませ)」の略された形。

相手に何らかの動作をすることを請い求める意、つまり動作の依頼が「ください」で、依頼の表現は「〇〇なさってください」と言うのが適切な言い回しだ。


でも尊敬の表現として「される」を認めるのなら
「〇〇されてください」も「〇〇なさってください」も同じだということになるのだろうか…


言葉は多くの人が使う用法が主流になっていくものだが
散歩をされてください、用心されてください、旅をされてください、など
「〇〇されてください」は、どうも私には、居心地が良くない表現だ。


私は、言葉の用法に馴染めないことがある。
それは、狭い言葉の使い方しか知らないということでもある。


「〇〇されてください」
おかしな表現に思えて仕方ないが…

こんなふうに馴染めない、違和感を覚える言葉の使い方を
聞く(読む)たびに、えっ?と話の内容と離れたところで引っかかっていては
本質を見逃すことにもなりかねない。


単にそういう言葉の使い方の人なのだと思うだけにしよう、
私が知らないこと、分からないことは多いのだから。