プロとアマ
写真を撮る人は多い。
デジタルになってからカメラは万人に開かれたと言っていい。
写真のプロとアマの違いは何だろう。
神戸の写真教室のK先生は
プロとアマの差は「再現できるかどうかの差」だと話された。
プロは冬に夏が、晴れの日に雨の情景が、朝に夕方の感じが撮れるのだと言う。いつでもイメージ通りに撮れるのがプロなのだ。
K先生は、写真の良し悪しより
イメージ通りに撮れたかどうかを重視すると話された。
なぜ撮れたか自分でも解らない「奇跡の一枚」が誰にでもあるだろう。
その一枚をどう撮ったのか解るようになるには意識的に撮ることなのだ。
写真家の坂田栄一郎氏がインタビューに答えている新聞広告を見た。
*****(29日、朝日新聞「坂田栄一郎が語る仕事」から一部抜粋)
「……カメラの世界では、デジカメの出現などによって、未熟な技術はかなりクリアできるようになり、それが写真の世界に大量になだれ込んできた。逆光だろうが、光量が少なかろうが、カメラ搭載のテクノロジーでそこそこに写る。これはアマチュアとプロフェッショナルの違いは何かという仕事への問いを突き付けていると思います。
最も大切なのは、写真一枚に対してシャッターを切る時に明確な意識を持っているかどうかです。100%意識を持っている写真と、80%50%、あるいは何となくいい感じだったからなどという無意識とでは、はっきり違いが出てきます。それが仕事の力量というものです。」
*****(抜粋終わり)
意識的であるか、無意識なのか、
これは写真に限ったことではなく、いろんな場面で問われることだ。
生きている限り、問われ続けることだ。
自分自身に問い続けることだ…
100%意識を持ってシャッターを切ることは簡単ではない。
「何となくいい感じだった」という無意識では云々と坂田氏が言っているが
実は私は、まだまだこのレベルなのだ。
私がシャッターを切りたいと思う時は
目の前の何かに感動している時なのだが
もっともっと意識的であることが必要なのだろうと思う。
明確な意識を持つことだ。
写真を通じて、意識的である訓練をすることができるのは幸いなことなのだと思う…