承諾書
大阪の写真の講座でT先生が肖像権について説明されたことがあった。
街角で写真を撮るとき、ひとこと声をかけて
その人を撮らせてもらうことがある。
この場合、写真を撮ることについては「ええ、いいですよ」と言ってもらっているが、その写真を公表してもいいとは言われていない。
その写真がコンクールで賞をもらって、裁判になった例もあるということで、
「一番いいのは承諾書をもらうことです」とT先生は言われた。
写真を撮る前に承諾書なるモノにサインをもらっておくと
後でトラブルにならないと言うのだ。
スナップ写真は、ある一瞬を切り取るから
承諾書を出したりしていては、撮りたい絶妙の瞬間が逃げてしまうだろう。
はっきり顔が分かる写真を撮ってしまった時は
こんなふうな写真を撮らせてもらったと、画面を見せた上で
連絡先を聞いておいたら、写真を送ることもできるし、
もし公表したくなった時にも、その人に連絡ができる。
承諾書云々というより、よほど簡単なことで効果的だと思うのだが…
私の師事するM先生は、
「基本的に幸せな写真ならいいと思う」と言われたことがあった。
なにか他人の秘密を暴露するような写真や、その人が幸せな雰囲気ではない写真の場合は公表するべきではない、と言われた。
ちなみに、フォトコンクールに応募するとき、特定できる人物が写っていたら、その人に了解を得ることが応募要件になっていることが殆んどである。
カメラを持って街を歩くのが好きな私…でも承諾書を持ち歩くつもりはない。