叔母
近郊のJ市に住む叔母のところに遊びに行って
お昼をご馳走になった。お好み焼きが美味しかった。
この叔母は母の妹、小さい頃から「おねえちゃん」と呼んできたから
姉妹の気分が抜けないけれど、叔母である。
前に手土産に持って行った「こうじ漬けの素」を簡単にお漬物が出来ると、たいそう気に入ってくれていて、それで漬けたキュウリと大根も出た。
漬ける人によって、出来上がりがこんなに違うのかと驚いた。
叔母は料理好きで、できあいの物を買わずに、なんでも手間をかけて料理をする。そういう手間を惜しまない性質の人が作ったら、簡単に作ったというものでも、手間をかけられた波動になるのだろうか。
簡単に漬けられる素ではあるけれど
漬ける人そのままの出来上がりになるのだろうと思う。
叔母には息子が二人いる。
家庭を持って離れて暮らしている息子たちの話などを
面白おかしく話してくれるから大笑いするやら驚くやら…
次男が就職で初めて一人暮らしをすることになった時の話、
次男が奈良県に住むことになって叔母夫婦は引っ越しの手伝いに新居に行っていた。荷物を運び入れている最中に住民調査で近所の交番から婦警さんが来たそうだ。何年かに一回の巡回する調査日だったようだ。
それから3年数か月が経ち、次男は転勤になり、そこを引き払うことになった。また叔母夫婦は手伝いに行っていた。
すると、そこへ警察の住民調査で婦警さんが回ってきた。
荷物を運び出している真っ最中に、やって来た婦警さんは、引っ越して来た時と同じ人だった。向こうも、びっくりしていたという。
こんな面白いことがあるんやね〜と叔母。
その土地に来た日と離れる日、同じ人がやって来る確率はどれほどだろう…
次男にはこんなふうな偶然の話が多いと叔母は言う。
とても運が強いと思うの、と言う。
私の子だから、と言う。
母から、私はこの叔母と似ていると言われたことがある。
似ているから好きなのだろうか…
とにかく楽しい一日だった。
住宅地の中にイチジク畑や田んぼが点在する。
このあたりは空が広い。