red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

『世界でいちばん美しい景色のはなし』◇

『世界でいちばん美しい景色のはなし』
中村しげき著。
画/清水麻里。


「ぼく、うまれた日にあったこと、しっているよ」
この「ぼく」が主人公。


彼が生まれた日、


*****(抜粋)
ちょうど、僕がお腹から出てきたとき、
海辺に座っていた男の子の前で、
イルカがジャンプしました。


サラリーマンが、虹を追いかけて駆け出しました。


ある殺人犯が、牢獄の中で聖書を読みきりました。


爆撃を命令した大統領が、
その命令を取り消しました。


盲目の女の子が、
移植手術で、光を取りもどしました。


旅の女性が、砂漠に花を植えました。


干ばつの村で、雨が降りだしました。


ある大金持ちが全財産を投じて
遊園地をつくり始めました。

*****(抜粋終わり)


「ぼく」は成長して旅に出る。


彼は旅先で考える。
「…旅とは、
どこか知らないところへ行くことのようで、
じつは、記憶のどこかにある景色を
さがしにいくことなのかもしれません。」


彼が生まれた日にあった出来事が
その後の彼の人生と繋がっていく物語。


これは世界が繋がっていることを思い出させてくれる物語。


世界はまさに
この物語の冒頭に書いてある次のことば通りなのだろう。
「ひとつの花に話しかけるだけで、
世界中の花に話しかけたことになる。」


多分、繋がった世界では、どんな想いも共有しているのだ。
1月17日に本棚から取り出した本は
『世界でいちばん美しい景色のはなし』


美しい物語だった。

世界でいちばん美しい景色のはなし

世界でいちばん美しい景色のはなし