red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

『イティハーサ』その2・謎◇

イティハーサ』の印象的な場面をいくつか思い出したから
この機会に物語を一気に読んだ。

何回読んでも新しい物語。


亞神も威神も人も戦い、悩み、迷う…

目に見えぬ神々の知恵・痕跡は消えつつある。


多くの者が亞神、威神を求める中にあって

青比古は善にも悪にも囚われていない。
力を求めず善にも悪にもなびかない者には神は必要ない。


いずれ己を失うという運命を持つ彼だから
その稀有な精神性を保っていられるのか…



物語の冒頭…
***
その答えを
求め続けると
気のふれる問いがある


自分は何故ここにいるのか
何処より来たりて
何処へ向かうのか


実に人は
この問いを
忘れる為に
人を愛し


この問いから
逃がれる為に
神を求める
***


何回読んでも「謎」が残る物語。

その「謎」が好きで読みたくなる物語。

知りたい、分かりたい、
だから私は問いを発する、考える…


読んでも答えは得られないが、その時々に考えるヒントがある。


「知る不幸」より「知らぬ平穏」を選んだ者たちの桃源郷、不二の里。
信じて祈りを捧げれば、心の平安を得られる場所。
亞神・天音(あまね)に祈り、天音はその民の祈りから「力」を得て
威神・鬼幽(きゆう)と戦う。
物語の後半は亞神も威神も違いがないことが明らかになってくる…



雪の降る中を不二の里を目指して進む一行の場面…

***
雪は人を立ちどまらせる、
足も…心も…


神は人を立ちどまらせる、
足(時)も…心(魂)も…
***


悩んで、考えて、迷う…

その「謎」を楽しんでしまう物語『イティハーサ


***
生まれおちて人が初めに望むこと
死の際まで望み続けること…
それは『知る』ということです。
***


私の「知りたい」欲求も果てしない。

イティハーサ 全7巻

イティハーサ 全7巻