整体
整体でお世話になったМ先生が逝かれて2ヶ月。
奥様が治療所を少しづつ再開される旨の連絡があった。
奥様も数年前まではМ先生と同じ整体師として治療をされていた。
引越しで狭くなったのを機に治療所を閉じられるはずだったが
死ぬまで治療師でいたい、というМ先生の希望通りに
先生だけがご自分のペースで治療をするという形で続けておられた。
奥様もМ先生と同じ技で治療をされるが
やはり全く同じというわけにはいかないから
奥様でいい、という人で希望者があれば施術するとのことだった。
早速、今日、奥様の整体を受けてきた。
今までにも何度も受けたことがあるが
今日の施術はМ先生が乗り移ったような感じで
目を閉じていたらМ先生の手のように思えた。
奥様は
М先生に治療前に力を貸して欲しいと頼まれるのだそうだ。
通っていた人たちには
先生の訃報が突然のことだったし
多分、先生も心残りだっただろう。
引退されていた奥様だが、希望者があるのならと
その遺志を継がれたのだ。
「私が治している」という気持ちが全く無いせいか、
「М先生から力を借りて、させてもらっている」という意識のせいか、
その施術は本当に心地良いものだった。
М先生の気配を感じるお宅は
以前と同じく通う人たちの「ありがとう」で満ちるだろう。
私も時々
お邪魔してМ先生を思い出そう。