『橋ものがたり』◇
藤沢周平の『橋ものがたり』を読んだ。
じんわりと心に響くいい短編集だ。
江戸の街に暮らす人々の「橋」を舞台にした物語。
際立った人が一人も登場しない物語。
何かに秀でた人が活躍するわけではない物語。
私は
後世に名を残す人より
こんな名も無き人たちの物語のほうが
好きだ。
登場人物への
作者の眼差しがとても優しい…
毎日を一所懸命に生きる人に、
その諦観にも似た日々の暮らしの中の喜怒哀楽…
そんな想いに
寄り添った後の清々しさ♪
物語に浸る楽しさ♪
秀逸な短編集だった。
人が愛おしくなる物語だった。
橋をめぐる物語で
一番に思い浮かぶのは映画「ポンヌフの恋人」…
ジュリエット・ビノシュ主演の1991年、フランス映画で
ポンヌフ橋で出会い、橋の上で暮らす二人の愛がテーマだったが…
橋といえば「ポンヌフ」というくらい観た当時、強烈な印象が残っている。
橋…
出会いと別れ…
旅立ちと帰郷…
「橋」が象徴するのは
人と人との繋がりだろうか…
私たちは皆
様々な「橋」で繋がっているのかも知れない…
***関連記事・『父、藤沢周平との暮し』(2009年12月19日)***
http://d.hatena.ne.jp/red-earth/20091219
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