red-earth's blog

(2017.6.25)red-earth’s diary から移行しました。女性ヴォーカル好き、写真好き…

原野アナン◇

『アナン、』の作者二人(飯田 譲治、梓 河人)が
その後のアナンを登場させた本がある。


『盗作』


『アナン、』同様に一気に読ませる本だ。


創作とは何か?
オリジナリティとは?


平凡な高校生だった彩子に
ある日、芸術の女神が舞い降りた!!!
とりつかれたように描きあげたのが「どこまでも」と
タイトルをつけた走る人の絵。


この絵を見た誰もが息を呑む。
そして時を忘れて
感動のエネルギーに満たされる。



だが、彩子が描く前に
原野アナンが全く同じ構図、色使いで「天を走る」を
モザイクで創作していた。


彩子はアナンの作品をみたこともなかったのに
全く同じ構図・色使いだったので
盗作だと決め付けられてしまうのだ。


彩子には
OL時代に「歌」が降りてきた。
主婦で子育てを終えた頃には「小説」が降りてきた。


晩年の彩子の言葉を借りると
それは「創造の熱い核が直撃した」
「創作の嵐がやってきた」ということらしい。



彼女は
「わたしが、わたしが」のエゴがあまりない性質(たち)で
おおらかに彼女の窓は解き放たれているから
元々、そこにあるものに
感応しやすいのかも知れない…


この物語に登場するアナンは
世界的に活躍をするアーティストで

彩子に
モザイク「天を走る」をプレゼントする。

アナンは彩子に言う「あなたは、まぎれもなく、創造したんだ」


再びアナンに出会える本
『盗作』


不思議な世界が垣間見える…
見えない世界が感じられる…


絵が持つ力、
歌が持つ力、
言葉が持つ力を確認した本だった!!!


引用
***
美しいのは絵の色や形そのものだけでなく、放つものだ。

中略

”いのち”のこもった芸術は、光だ。
それは荒れ果てた大地を農夫が整えるように、
混沌としたエネルギーを美に変える。
見る者の”いのち”というエネルギーにそのまま作用するのだ。

中略

優れた歌、すばらしい映像や文学など、あらゆる芸術はこの世に
光の波動を起こすエキスパートなのだ。

***
引用終わり。


『盗作』も
『アナン、』に続き
何度も読みたい本だ♪


盗作(上) (講談社文庫)

盗作(上) (講談社文庫)

盗作(下) (講談社文庫)

盗作(下) (講談社文庫)